PDFをアップロードせずに結合・分割・回転する方法
PDF 結合・分割ツールを開くPDFの結合・抽出・回転・削除と、画像のPDF変換ができます。
請求書と見積書を1つのPDFにまとめたい、スキャンした書類の向きを直したい、100ページの資料から必要な3ページだけ抜き出したい。こうした作業は、検索すると無料のオンラインPDFツールがすぐ見つかります。ただ、多くのサービスはファイルをいったん運営会社のサーバーに送って処理します。
この記事では、オンラインのサービスに書類を上げるときに何を確かめるべきかと、ファイルを外に出さずにブラウザの中だけでPDFを結合・分割・回転する手順を説明します。
オンラインのPDFツールに書類を上げるリスク
ファイルをアップロードする型のサービスは、インターネットを通じて他社のコンピュータを使うクラウドサービスの一種です。IPA(情報処理推進機構)の中小企業向けの手引きでは、クラウドサービスのセキュリティ対策は提供する事業者に委ねる部分が生じるため、利用者が直接管理できないとしています。そのうえで、選ぶときや使うときに次のような点を確かめるよう勧めています。
- 扱う情報が漏えい・改ざん・消失したときの影響
- 事業者が信頼できるか、セキュリティ対策を具体的に公開しているか
- 入力したデータに事業者がアクセスする条件や、利用終了後のデータの扱いが利用規約に書かれているか
- データがどの国や地域のサーバーに保存されるか
契約書・請求書・見積書・名簿には、取引先の名前や金額、個人情報が入っています。無料の変換サービスの規約を毎回ここまで読み込むのは現実的ではありません。社内のルールで外部サービスへの保存を禁じている情報なら、変換のためでも上げられないことがあります。
個人情報を含むデータを外部に預けて漏えいした場合は、本人への連絡や個人情報保護委員会への報告が必要になることがあります。迷う書類は、ファイルを外に出さない方法で処理するのが確実です。
ブラウザの中だけでPDFを処理する仕組み
PDFの結合や抽出は、本来は手元のパソコンだけでできる処理です。最近のブラウザは、選んだファイルをページのプログラムで読み込み、その場で新しいファイルを作って保存させることができます。この方式なら、ファイルの中身はサーバーに送られません。
PDF 結合・分割はこの方式で動きます。PDFの読み書きにはpdf-libというライブラリを使い、選んだPDFや画像はブラウザのメモリ上だけで処理します。作ったファイルは自分でダウンロードした時点で端末に保存され、ページを閉じると作業中のデータは残りません。
複数のPDFを1つに結合する手順
- 結合の枠にPDFをドラッグ&ドロップするか、枠をクリックしてファイルを選ぶ
- 一覧の上下ボタンで、ファイルの順番を決める
- 並び順どおりに結合を押すと、結合.pdf がダウンロードされる
順番の入れ替えはファイル単位です。請求書PDFの後ろに見積書PDF、その後ろに発注書PDF、のように並べてから結合します。1つのファイルの中のページ順を変えたいときは、次の抽出を使います。
必要なページだけ抜き出す・分割する
ページを抽出・回転・削除の欄でPDFを選ぶと、全何ページかが表示されます。抽出するページは、ページ番号とハイフン・カンマで指定します。
| 入力 | 出力されるページ |
|---|---|
| 1-3,5 | 1・2・3・5ページ |
| 8- | 8ページから最後まで |
| 5,1-4 | 5ページを先頭にして、続けて1〜4ページ |
| 空欄 | 全ページ |
ページは指定した順番で並ぶので、表紙を後ろに回すといった並べ替えにも使えます。同じページを重ねて指定しても、出力は1回だけです。範囲の数字を逆に書いたり、存在しないページを指定したりするとエラーで知らせます。
1つのPDFを複数のファイルに分割したいときは、抽出を必要な回数くり返します。例えば10ページのPDFを前半と後半に分けるなら、1-5 で1回、6- でもう1回保存します。ダウンロードされるファイル名はどちらも 抽出.pdf なので、保存した後に中身が分かる名前に変えておきます。
削除するページの欄に 2,4-6 のように入れると、そのページを外して出力します。抽出の欄を空欄にして削除だけ指定すれば、不要なページを除いた全ページになります。
ページの向きを回転する
回転は、右へ90度・180度・左へ90度から選べます。回転は、その回に出力する全ページにまとめてかかります。
スキャンした5ページのうち2ページ目だけが横向き、という場合は次の手順で直せます。
- 抽出の欄に 1 と入れ、回転なしで保存する
- 抽出の欄に 2 と入れ、右へ90度で保存する
- 抽出の欄に 3- と入れ、回転なしで保存する
- 3つのファイルを結合の枠に入れ、順番を確かめて結合する
スキャン画像や写真をPDFにする
JPGかPNGの画像を選んでA4 PDFに変換を押すと、画像1枚をA4の1ページに配置したPDFができます。縦横比を保ったまま余白の内側に収めるので、画像が引き伸ばされることはありません。スマートフォンで撮った領収書の写真を、1つのPDFにまとめるときに使えます。
仕事でよく使う整理の例
- 請求書と納品書を1通で送る: 2つのPDFを結合の枠に入れ、請求書を上にして結合します。メールの添付が1つになり、相手も保存しやすくなります
- 契約書から署名のページだけ控えに残す: 抽出の欄に署名ページの番号だけを入れて保存します
- スキャンで混ざった白紙ページを除く: 削除の欄に白紙のページ番号を入れ、抽出の欄は空欄のまま保存します
- 紙の領収書の写真をまとめる: 画像をPDFへ変換で、1か月分の写真を1つのPDFにします
どの作業も、元のファイルは書き換えずに新しいファイルを作ります。思った結果にならなくても、元のファイルから何度でもやり直せます。
処理できないPDFと注意点
- パスワード付きや暗号化されたPDFは読み込めません。所有者の許可を得て、元のアプリで保護を解除したPDFを用意します
- 大きなファイルは端末のメモリを使うので、処理に時間がかかることがあります
- 結合や抽出の後は、ページの順番・向き・内容を必ず確かめます。元のファイルは消さずに保管しておきます
ファイルが外に送られていないかを自分で確かめたいときは、ページを開いた後にネットワークを切った状態で結合や抽出を試す方法があります。処理がブラウザの中で完結していれば、オフラインでもファイルが作られます。
電子取引のPDFを分割して保存するとき
メールで受け取ったPDFに、複数の請求書がまとめて入っていることがあります。国税庁の電子帳簿保存法の一問一答では、受け取ったPDFを取引ごとに、内容を変えずに単に分割することは合理的な編集の範囲内とされています。分割したファイルに規則性のある名前を付けて管理し、税務調査でのダウンロードの求めに応じられるようにしておけば、検索の要件を満たすと考えられるとしています。
分割した後のファイル名は、取引年月日・取引先・金額を入れて統一します。名前付けはファイル名 一括リネームでまとめて行えます。
よくある質問
結合したPDFの画質は落ちますか
このツールの結合と抽出は、元のPDFのページをそのまま新しいPDFにコピーする処理で、ページを画像に変換し直すことはしません。画像からPDFを作る機能では、選んだ画像をA4のページに配置します。
スマートフォンでも使えますか
ブラウザで動くので、スマートフォンでもファイルを選んで処理できます。ただしメモリが少ない端末では、大きなPDFの処理に時間がかかったり失敗したりすることがあります。重い作業はパソコンでの処理が向いています。
処理したファイルはどこに保存されますか
ブラウザのダウンロード先に保存されます。サイト側には残らないので、必要なファイルは自分で保管してください。
PDF 結合・分割ツールを開くPDFの結合・抽出・回転・削除と、画像のPDF変換ができます。
出典
2026年10月17日時点の制度にもとづいて書いています。計算例の数字は、このサイトのツールと同じ計算で出しています。