支払期日の決め方と、休日の扱い・取適法の60日ルール

更新日: ・BizTools 運営事務局

支払期日・営業日 計算ツールを開く締め日から支払期日を求め、営業日や日付の加減算を行います。

取引先との支払条件は、月末締め翌月末払いのように締め日と支払日の組み合わせで決めることが多くあります。ところが、締め日を1日過ぎた納品や、支払日が土日に当たった月は、実際の支払日が思っていた日とずれることがあります。

この記事では、締め日と支払日から支払期日を出す手順と、休日に当たったときの前倒し・後ろ倒しを説明します。外注先への支払で気をつけたい取適法の60日ルールも、2026年の日付を使った計算例で確かめます。

締め日と支払日で支払期日が決まる仕組み

支払期日は、次の3つの条件で決まります。

  • 締め日: 何日までの納品や受領をひとまとめにするか(末日、20日など)
  • 支払月: 締め日のある月から何か月後に払うか(当月、翌月、翌々月)
  • 支払日: その月の何日に払うか(末日、10日など)

まず、受領日や納品日がどの締め日に入るかを決めます。受領日が締め日以前ならその月の締め、締め日を過ぎていれば翌月の締めに入ります。次に、その締め日の月から支払月の分だけ進めた月の支払日が、支払期日になります。最後に、その日が休日なら前後の営業日へ動かします。

31日を支払日にしていて、その月に31日が無いときは月末に読み替えるのが一般的です。支払期日・営業日 計算でも、存在しない日はその月の末日として扱います。

月末締め翌月末払いの計算例

もっとも多い支払条件です。2026年10月12日に納品を受けた場合を考えます。

項目日付
受領日10月12日(月)
締め日10月31日(土)
支払期日11月30日(月)
受領日を1日目とした支払期日までの日数50日

同じ月末締め翌月末払いでも、月の初めに受領したものほど支払までの期間が長くなります。10月1日に受領した場合、支払期日は同じ11月30日(月)ですが、受領日を1日目として数えて61日あります。後で説明する60日ルールで問題になるのは、この月初に受領した分です。

20日締め翌月10日払いと、締め日を1日過ぎたとき

20日締めの場合は、受領日が20日か21日かで支払期日が1か月変わります。

受領日締め日支払期日
10月20日(火)10月20日(火)11月10日(火)
10月21日(水)11月20日(金)12月10日(木)

たった1日の違いで、入金が1か月遅れます。受け取る側は、締め日の直前に納品できるよう作業の予定を組むと資金繰りが楽になります。払う側は、受領日をどの記録で判断するか(納品書の日付か、検収の日か)を社内で決めておくと、締めの判定で迷いません。

支払日が土日祝日に当たったときの前倒し・後ろ倒し

支払日が金融機関の休業日に当たると、その日には振り込めません。前の営業日に払う前倒しと、次の営業日に払う後ろ倒しのどちらにするかは、契約で決めておきます。

2026年10月31日は土曜日です。9月1日に受領した分を月末締め翌月末払いで払う場合は、次のようになります。

休日の扱い支払期日受領日を1日目とした日数
前営業日に前倒し10月30日(金)60日
翌営業日に後ろ倒し11月2日(月)63日

年末はさらにずれが大きくなります。11月1日に受領した分は、支払日の12月31日が年末年始に当たります。前倒しなら12月28日(月)、後ろ倒しなら年明けの1月4日(月)です。

このツールの支払期日の計算では、土日・祝日に加えて12月29日〜1月3日も休日として扱います。年末に営業している金融機関で払う場合は、実際の振込日を確かめてください。

取適法(旧下請法)の60日ルール

外注先への支払で特に気をつけたいのが、2026年1月1日に施行された取適法(中小受託取引適正化法)です。旧下請法を改正したもので、対象になる取引では、委託する側が次のように支払期日を決める義務があります。

  • 給付を受領した日から起算して60日以内で、かつできる限り短い期間内に支払期日を定める
  • 支払期日を定めなかったときは、受領日が支払期日とみなされる
  • 60日を超えて定めたときは、受領日から起算して60日を経過した日の前日が支払期日とみなされる

検査をするかどうかは関係ありません。検査に時間がかかる場合も、受領日から60日以内に払える支払制度にしておく必要があります。また、取適法では手形を交付して払うことも支払遅延に当たるとされました。

受領日を1日目として数える

公正取引委員会のテキストでは、60日は受領日を算入して数えます。受領日が1日目です。支払期日・営業日 計算ツールの日数も、この数え方で表示します。

月単位の締切制度は2か月として扱う

月末締め翌月末払いでは、月初に受領した分が61日目や62日目の支払になることがあります。公正取引委員会は、月単位の締切制度については受領後60日以内を受領後2か月以内として運用し、31日の月も30日の月も同じ1か月として扱っています。そのため、月末締め翌月末払いは支払遅延として問題にしていません。

例えば7月1日に受領した分は、月末締め翌月末払いで8月31日(月)の支払です。受領日を1日目として62日目ですが、2か月以内の支払に当たります。ツールもこの運用に合わせ、60日を超えていても受領後2か月以内なら警告を出しません。

休日による順延は2日まで

支払日が土曜日や日曜日に当たって金融機関の翌営業日に順延する場合、順延が2日以内で、そのことをあらかじめ書面等で合意していれば、結果として60日(2か月)を超えても問題にしないとされています。上の例で10月31日(土)を11月2日(月)に後ろ倒しするのは、この範囲です。

一方、年末の12月31日を1月4日まで後ろ倒しすると、順延が2日を超えます。順延後の支払期日が受領日から60日(2か月)以内に収まる場合は2日を超えても合意があれば問題にしないとされていますが、収まらない場合は前倒しにしておくのが安全です。

60日を超えやすい支払条件

締め日から支払日までが1か月を超える組み合わせは、締め日の翌日に受領した分が2か月を超えます。

支払条件受領日支払期日受領日を1日目とした日数
25日締め翌月末払い10月26日(月)12月28日(月)64日
20日締め翌月末払い10月21日(水)12月28日(月)69日
月末締め翌々月末払い10月1日(木)12月28日(月)89日

どれも前倒しをした後の日付ですが、受領から2か月を超えています。取適法の対象になる取引でこうした支払条件を使っている場合は、締め日か支払日を見直す必要があります。20日締めなら翌月10日払い、末日締めなら翌月末払いのように、締め日から1か月以内に払う形にすると収まります。

請求書が遅れたときの支払期日

払う側の社内手続で請求書を受け取ってから払う運用にしていても、取適法の対象取引では、請求書の提出の有無にかかわらず受領後60日以内に定めた支払期日までに払う必要があります。受託側の請求書が遅れる場合は、早めに提出を促します。

受託側も、支払期日を請求書にはっきり書いておくと、入金の確認がしやすくなります。請求書・見積書・領収書 作成では、請求書に支払期限と振込先を入れられます。

よくある質問

取適法の対象になるかはどう判断しますか

取引の内容(製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託・特定運送委託)と、委託する側と受託する側の資本金または従業員数で決まります。例えば物品の製造委託では、資本金3億円超の事業者が資本金3億円以下の事業者(個人を含む)に委託する場合などが対象です。資本金基準が当てはまらない場合は、常時使用する従業員の数で判定します。取引ごとに条件が違うので、公正取引委員会の資料で確かめてください。

納品後30日以内という決め方は使えますか

取適法の対象取引では、支払期日は具体的な日が特定できるように決める必要があります。公正取引委員会のQ&Aでは、何月何日までや納品後何日以内のような期限の示し方は、具体的な日が特定できないため認められないとされています。何月何日、または毎月末日納品締切・翌月何日支払のように、日が特定できる形で決めます。

決めた支払期日より早く払ってもよいですか

定めた支払期日より前に払うことは差し支えないとされています。休日の扱いで迷う場合は、前倒しにしておけば支払遅延の心配はありません。

支払期日・営業日 計算ツールを開く締め日から支払期日を求め、営業日や日付の加減算を行います。

出典

2026年10月17日時点の制度にもとづいて書いています。計算例の数字は、このサイトのツールと同じ計算で出しています。

この記事は一般的な解説です。個別の税務・労務の判断は、税理士・社会保険労務士・税務署・年金事務所などにご確認ください。