月給を時給に換算する方法(月平均所定労働時間の出し方)

更新日: ・BizTools 運営事務局

残業代 計算ツールを開く時間外・月60時間超・深夜・休日の割増賃金を計算します。

月給で働く人の時給は、残業代を計算するときや、最低賃金を下回っていないか確かめるときに必要になります。単純に月給を160時間で割る方法を見かけますが、法律で決まっているのは月平均所定労働時間で割る方法です。

この記事では、年間の所定労働日数から月平均所定労働時間を出す手順と、時給の計算例を説明します。残業代の計算で月給から除く手当と、最低賃金と比べるときの違いも整理します。

月給の時給は月平均所定労働時間で割る

労働基準法施行規則19条は、月給で決まっている賃金の1時間あたりの金額を、次のように定めています。

  • 月の所定労働時間で割る
  • 月によって所定労働時間が違うときは、1年間の1か月平均の所定労働時間で割る

祝日や年末年始で月ごとの日数が変わる会社がほとんどなので、実際には月平均所定労働時間を使います。式にすると次のとおりです。

  • 月平均所定労働時間 = 1年間の所定労働日数 × 1日の所定労働時間 ÷ 12
  • 1時間あたりの賃金 = 月給 ÷ 月平均所定労働時間

所定労働時間は、就業規則や雇用契約で決めた働く時間です。実際に残業した時間は含めません。

年間休日から所定労働日数を出す

1年間の所定労働日数は、365日から会社の年間休日を引いて出します。うるう年は366日から引きます。

年間休日年間の所定労働日数1日8時間のときの月平均
105日260日173.33時間
115日250日166.67時間
120日245日163.33時間
125日240日160.00時間

1日の所定労働時間が7時間30分なら、その時間で計算します。年間休日が125日で1日7時間30分なら、月平均は150.00時間です。

1日8時間・週40時間の上限から、1年の所定労働時間は約2,085時間が上限になります。月平均では約173.8時間です。これを超える月平均になったときは、所定労働時間の決め方を見直す必要があります。

計算例: 月給30万円・年間休日115日

月給30万円、年間休日115日、1日8時間の会社で計算します。

  1. 年間の所定労働日数: 365日 − 115日 = 250日
  2. 月平均所定労働時間: 250日 × 8時間 ÷ 12 = 166.67時間
  3. 1時間あたりの賃金: 300,000円 ÷ 166.67時間 = 1,800円

同じ月給でも、年間休日が多いほど時給は高くなります。

月給年間休日105日115日125日
25万円1,442円1,500円1,563円
30万円1,731円1,800円1,875円

1日8時間の会社で計算し、1円未満は四捨五入しています。

160時間で割る計算との違い

月給を160時間(1日8時間 × 20日)で割る方法は、手早い目安にはなります。ただし、年間休日が少ない会社では実際より時給が高く出ます。残業代の計算では、月平均所定労働時間で割らないと金額がずれます。

年間休日105日の会社で月給30万円を160時間で割ると1,875円になります。月平均所定労働時間で割ると1,731円です。この差が、残業1時間ごとに割増つきで積み上がります。

残業代の計算では月給から除く手当がある

残業代のもとになる月給には、すべての手当を入れるわけではありません。労働基準法37条5項と施行規則21条で、次の賃金は除くと決まっています。

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
  • 臨時に支払われた賃金
  • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)

ただし、名前ではなく中身で判断します。たとえば、家族の人数に関係なく全員に同じ額を払う家族手当は、除けません。住宅手当も、家賃に応じて払うものでなく一律の額なら、残業代のもとに含めます。役職手当や資格手当などは、原則として含めます。

月給から除く手当を引いた金額を、月平均所定労働時間で割ったものが残業代の時給です。残業代 計算では、月給の欄に基本給と含める手当の合計を入れます。年間所定労働日数と1日所定時間を入れて 月平均へ反映 を押すと、月平均所定労働時間が入ります。

最低賃金と比べるときの時給

月給制の人が最低賃金を下回っていないかも、同じように月給 ÷ 1か月平均所定労働時間で時給に直して比べます。

ただし、除く賃金は残業代の計算と少し違います。最低賃金の計算では、通勤手当、家族手当、時間外・休日・深夜の割増賃金、精皆勤手当、臨時の賃金、賞与などを除きます。一方で、住宅手当は除かれません。厚生労働省の例では、基本給15万円と職務手当3万円の合計18万円を、年間250日 × 8時間 ÷ 12で割って時給に直しています。

最低賃金は都道府県ごとに毎年10月ごろに改定されます。比べるときは、働いている地域の最新の金額を確かめてください。

よくある質問

月によって所定労働日数が違う場合、その月の日数で割ってはいけませんか

施行規則19条は、月によって所定労働時間が違う場合は1年間の月平均で割ると定めています。月ごとの日数で割ると、同じ残業1時間でも月によって残業代が変わってしまいます。月平均で計算するのが原則です。

1円未満の端数はどう処理しますか

1時間あたりの賃金の1円未満は、50銭未満を切り捨て、50銭以上を1円に切り上げる処理が認められています(結果は四捨五入と同じです)。残業代の合計の端数処理も含め、残業代の計算方法で詳しく説明しています。

年俸制の場合はどうなりますか

年俸を12で割った月額を、月平均所定労働時間で割ります。年俸に賞与分を含めて毎月決まった額を払っている場合、その賞与分も残業代のもとに含める扱いになります。支払い方によって変わるので、契約の内容を確かめてください。

残業代 計算ツールを開く時間外・月60時間超・深夜・休日の割増賃金を計算します。

出典

2026年10月18日時点の制度にもとづいて書いています。計算例の数字は、このサイトのツールと同じ計算で出しています。

この記事は一般的な解説です。個別の税務・労務の判断は、税理士・社会保険労務士・税務署・年金事務所などにご確認ください。