月給から引かれる社会保険料と手取りの計算方法(2026年度)
社会保険料・手取り 計算ツールを開く月給・賞与・年収から、健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税と手取りを計算します。
給与明細を見ると、総支給額からいくつもの保険料と税金が引かれています。月給30万円でも、手取りが25万円を切ることは珍しくありません。
この記事では、会社員の月給から引かれる社会保険料のしくみと計算方法を、2026年度の協会けんぽの料率で説明します。標準報酬月額の決まり方や、賞与から引かれる保険料の上限も取り上げます。
月給から引かれるもの
会社員の給与から引かれるのは、主に次のものです。
| 項目 | 計算のもとになる額 | 本人負担 |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 標準報酬月額 | 料率の半分 |
| 介護保険料(40〜64歳) | 標準報酬月額 | 料率の半分 |
| 子ども・子育て支援金 | 標準報酬月額 | 料率の半分 |
| 厚生年金保険料 | 標準報酬月額 | 料率の半分 |
| 雇用保険料 | その月の総支給額 | 労働者負担率 |
| 所得税 | 社会保険料を引いた後の給与 | 源泉徴収税額表による |
| 住民税 | 前年の所得 | 市区町村の通知による |
健康保険から厚生年金までの4つは、会社と本人が半分ずつ負担します。雇用保険は会社の負担率のほうが高く、本人の負担は一部です。
2026年度の料率
協会けんぽに加入している場合の、2026年度の料率は次のとおりです。
- 健康保険: 都道府県ごとに違う。東京都は9.85%、大阪府は10.13%(2026年3月分から)
- 介護保険: 1.62%(40〜64歳の人だけ、2026年3月分から)
- 子ども・子育て支援金: 0.23%(全国一律、2026年4月分から)
- 厚生年金: 18.3%(2017年9月から固定)
- 雇用保険: 一般の事業で労働者負担5/1,000、事業主負担8.5/1,000(2026年4月から2027年3月まで)
子ども・子育て支援金は、2026年4月分の保険料から新しく加わったものです。健康保険料と一緒に集められます。65歳以上の人の介護保険料は、原則として市区町村が別に集めるので、給与からは引かれません。
標準報酬月額の決まり方
社会保険料は、毎月の実際の給与ではなく、標準報酬月額に料率を掛けて計算します。標準報酬月額は、給与を一定の幅で区切った等級の金額です。例えば報酬月額が29万円以上31万円未満なら、標準報酬月額は30万円です。
報酬月額には、基本給のほかに残業手当・通勤手当・住宅手当・家族手当なども含めます。通勤手当は所得税で非課税になる範囲の分も、社会保険料の計算には入る点に注意してください。
標準報酬月額は、主に次のタイミングで決まります。
- 資格取得時: 入社したときの給与の見込みで決める
- 定時決定: 毎年4月から6月の給与の平均で決め、9月から翌年8月まで使う
- 随時改定: 昇給などで固定的な給与が変わり、3か月の平均が2等級以上変わったときに改定する
4月から6月に残業が多いと、その後1年間の保険料が高くなるといわれるのは、この定時決定のためです。標準報酬月額の範囲は、健康保険が5万8,000円から139万円、厚生年金が8万8,000円から65万円です。
計算例: 月給30万円・東京都・40歳未満
東京都の協会けんぽに加入する40歳未満の人で、月給30万円(通勤手当込み)、扶養親族なしの場合です。標準報酬月額は 300,000円(22等級)になります。
| 項目 | 計算 | 本人負担 |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 30万円 × 9.85% ÷ 2 | 14,775円 |
| 子ども・子育て支援金 | 30万円 × 0.23% ÷ 2 | 345円 |
| 厚生年金保険料 | 30万円 × 18.3% ÷ 2 | 27,450円 |
| 雇用保険料 | 30万円 × 5/1,000 | 1,500円 |
| 社会保険料の合計 | 44,070円 | |
| 所得税 | 6,340円 | |
| 手取り(住民税を引く前) | 249,590円 |
所得税は、総支給から社会保険料を引いた 255,930円 をもとに、令和8年分の電算機計算の特例で出しています。住民税は前年の所得で決まるので、給与明細の金額をさらに引いたものが実際の手取りです。
同じ月給で40〜64歳の人は、介護保険料 2,430円 が加わり、手取りは 247,250円 になります。
月給別の社会保険料と手取り
同じ条件で月給を変えると、次のとおりです。
| 月給 | 標準報酬月額 | 社会保険料 | 所得税 | 手取り(住民税前) |
|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 200,000円 | 29,380円 | 3,290円 | 167,330円 |
| 25万円 | 260,000円 | 38,144円 | 4,760円 | 207,096円 |
| 30万円 | 300,000円 | 44,070円 | 6,340円 | 249,590円 |
| 40万円 | 410,000円 | 60,178円 | 10,780円 | 329,042円 |
月給25万円の標準報酬月額が 260,000円 になるのは、25万円以上27万円未満の等級に当たるためです。社会保険料は、おおむね月給の15%前後になります。
円未満の端数の処理
本人負担分に1円未満の端数が出たとき、給与から天引きする場合は、50銭以下を切り捨て、50銭を超えたら切り上げます。四捨五入とは、ちょうど50銭のときの扱いが違います。
例えば月給40万円(標準報酬月額41万円)の東京都の健康保険料は、41万円 × 9.85% ÷ 2 = 20,192.5円です。端数がちょうど50銭なので切り捨てて 20,192円 になります。四捨五入なら20,193円になるところです。会社と本人の間で特約があれば、別の端数処理にすることもできます。
賞与から引かれる社会保険料
賞与の社会保険料は、賞与額から1,000円未満を切り捨てた標準賞与額に、月給と同じ料率を掛けます。上限は次のとおりです。
- 健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金: 年度(4月から翌年3月)の累計で573万円
- 厚生年金: 1か月あたり150万円(同じ月に2回払われたら合算)
雇用保険料は、標準賞与額ではなく賞与の総額に率を掛けます。賞与50万円、東京都、40歳未満の場合は次のとおりです。
| 項目 | 本人負担 |
|---|---|
| 健康保険料 | 24,625円 |
| 子ども・子育て支援金 | 575円 |
| 厚生年金保険料 | 45,750円 |
| 雇用保険料 | 2,500円 |
| 社会保険料の合計 | 73,450円 |
賞与の所得税は、前月の給与から社会保険料を引いた額と扶養の人数から、国税庁の算出率の表で税率を決めます。仮に税率が4.084%なら、所得税は 17,420円、手取りは 409,130円 です。
会社が負担している保険料
健康保険・子ども・子育て支援金・厚生年金は、本人と同じ額を会社も負担しています。月給30万円の例なら、会社の負担は雇用保険の 2,550円 を含めて、本人とほぼ同じ規模です。さらに会社だけが負担する子ども・子育て拠出金(0.36%)もあります。
年収で考えたいときは、社会保険料・手取り計算ツールの年収のタブで、年額の所得税と住民税の概算まで出せます。例えば年収400万円なら、手取りの目安は 3,165,744円 です。パートで働く人が社会保険に入るかどうかは、年収の壁シミュレーターで確かめられます。
よくある質問
4月から6月に残業を減らすと保険料は下がりますか
定時決定は4月から6月の報酬の平均で決まるので、この期間の残業代が少なければ標準報酬月額は低めになります。ただし、標準報酬月額は将来の厚生年金の額の計算にも使われるので、下がれば年金も少なくなります。保険料だけで判断しないでください。
健康保険組合に入っている会社でも同じ計算ですか
計算のしくみは同じですが、料率は健康保険組合ごとに違います。組合の料率は、勤務先や加入している組合に確認してください。このツールは協会けんぽの料率で計算します。
社会保険料・手取り 計算ツールを開く月給・賞与・年収から、健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税と手取りを計算します。
出典
2026年10月17日時点の制度にもとづいて書いています。計算例の数字は、このサイトのツールと同じ計算で出しています。