賞与(ボーナス)の手取りと所得税の計算方法(令和8年分)

更新日: ・BizTools 運営事務局

社会保険料・手取り 計算ツールを開く月給・賞与・年収から、健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税と手取りを計算します。

賞与の明細を見ると、額面50万円でも振り込まれるのは40万円ほどです。引かれているのは社会保険料と所得税の2種類で、住民税は賞与からは引かれません。

社会保険料の計算は月給とほぼ同じですが、所得税の計算は月給とまったく違います。賞与の所得税の率は、賞与の額ではなく、前月の給与で決まります。この記事では、令和8年分の国税庁の算出率の表を使って、賞与の所得税と手取りの出し方を説明します。

賞与から引かれるもの

項目計算のもとになる額本人負担
健康保険料標準賞与額料率の半分
介護保険料(40〜64歳)標準賞与額料率の半分
子ども・子育て支援金標準賞与額料率の半分
厚生年金保険料標準賞与額料率の半分
雇用保険料賞与の総額労働者負担率
所得税賞与から社会保険料を引いた額前月の給与で決まる率

住民税は、前年の所得をもとに決まった年税額を、6月から翌年5月までの毎月の給与から引く仕組みです。賞与から追加で引かれることはありません。

社会保険料は標準賞与額に料率を掛ける

賞与の社会保険料は、賞与の総支給額から1,000円未満を切り捨てた標準賞与額に料率を掛けて計算します。料率は月給と同じで、協会けんぽの東京都なら健康保険9.85%、子ども・子育て支援金0.23%、厚生年金18.3%、40〜64歳の人は介護保険1.62%が加わります。いずれも会社と本人で半分ずつ負担します。

標準賞与額には上限があります。

  • 健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金: 年度(4月から翌年3月)の累計で573万円
  • 厚生年金: 1か月あたり150万円(同じ月に2回以上払われたら合算)

健康保険の上限は年度の累計なので、夏の賞与と冬の賞与は合算して数えます。1回の賞与が150万円を超える場合や、年度の合計が573万円を超える場合でなければ、上限は気にしなくてかまいません。

雇用保険料だけは、標準賞与額ではなく賞与の総額に率を掛けます。2026年度(2026年4月から2027年3月まで)の労働者負担は、一般の事業で5/1,000です。料率の詳しい内訳は月給から引かれる社会保険料と手取りの計算方法、雇用保険料の端数処理は2026年度の雇用保険料率と、給与から引く雇用保険料の計算方法で説明しています。

所得税の率は前月の給与で決まる

賞与の所得税は、次の3段階で計算します。勤務先に扶養控除等申告書を出している人の場合です。

  1. 前月の給与(賞与を除く)から、その給与で引かれた社会保険料を引く
  2. 1の金額と扶養親族等の数を、算出率の表の甲欄に当てはめて率を求める
  3. 賞与から社会保険料を引いた額に、2の率を掛ける(1円未満は切り捨て)

12月に払われる冬の賞与なら、前月は11月です。11月の給与の総支給額から、11月の給与で引かれた健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料などを引いた額で表を引きます。

扶養控除等申告書を出していない人(副業先の会社など)は乙欄を使い、甲欄より高い率になります。

算出率の表の引き方(令和8年分)

令和8年分の算出率の表の甲欄のうち、前月の社会保険料控除後の給与が45万円程度までの部分を抜き出すと、次のとおりです。金額は千円単位で、左の数字以上、右の数字未満の範囲です。

賞与に掛ける率扶養0人扶養1人扶養2人扶養3人
0%82千円未満107千円未満143千円未満181千円未満
2.042%82〜94千円107〜250千円143〜276千円181〜300千円
4.084%94〜260千円250〜289千円276〜321千円300〜354千円
6.126%260〜309千円289〜346千円321〜377千円354〜405千円
8.168%309〜342千円346〜373千円377〜400千円405〜424千円
10.21%342〜372千円373〜401千円400〜426千円424〜452千円
12.252%372〜402千円401〜430千円426〜457千円452〜484千円

率は2.042%から始まり、最も高い45.945%まで刻まれています。これは所得税の税率に復興特別所得税(所得税額の2.1%)を含めた率です。例えば4.084%は4%×1.021、2.042%は2%×1.021に当たります。

扶養親族等の数は、扶養控除等申告書に書いた源泉控除対象配偶者と源泉控除対象親族(16歳以上の扶養親族など)の数です。本人が障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生に当たる場合や、同一生計配偶者・扶養親族に障害者がいる場合は、それぞれ1人を加えます。扶養が4人以上の場合や、上の表より高い給与の場合は、国税庁の表の全体を確かめてください。

この表は令和8年分(2026年中に払う賞与)のものです。令和9年分からは防衛特別所得税が加わり、算出率の表も改正されます。

計算例: 賞与50万円・前月の給与30万円・扶養なし

東京都の協会けんぽに加入する40歳未満の人で、12月に賞与50万円を受け取る場合です。11月の給与は30万円、扶養親族はいないものとします。

1. 前月の給与から社会保険料を引く

月給30万円の社会保険料は、標準報酬月額30万円で計算して 44,070円 です。30万円から引くと 255,930円 になります。

2. 算出率の表で率を求める

扶養0人の列で、255,930円 は94千円以上260千円未満の行に入ります。率は4.084%です。

3. 賞与の社会保険料を引いて率を掛ける

項目計算本人負担
健康保険料50万円 × 9.85% ÷ 224,625円
子ども・子育て支援金50万円 × 0.23% ÷ 2575円
厚生年金保険料50万円 × 18.3% ÷ 245,750円
雇用保険料50万円 × 5/1,0002,500円
社会保険料の合計73,450円
所得税426,550円 × 4.084%17,420円
手取り409,130円

手取りは額面の 81.8% です。同じ条件で40〜64歳の人は、介護保険料 4,050円 が加わり、手取りは 405,246円 になります。

前月の給与が違うと所得税はこう変わる

賞与は同じ50万円、扶養なしのまま、前月の給与だけを変えると次のとおりです。

前月の給与社会保険料控除後率賞与の所得税賞与の手取り
20万円170,620円4.084%17,420円409,130円
30万円255,930円4.084%17,420円409,130円
35万円297,166円6.126%26,130円400,420円
40万円339,822円8.168%34,840円391,710円
45万円385,314円12.252%52,260円374,290円

前月の給与が高い人は年収も高いとみなされ、高い率が掛かります。前月の給与が30万円から40万円に上がると、同じ賞与でも所得税は2倍になります。

扶養の人数でも率は変わります。前月の給与30万円(控除後 255,930円)の場合、扶養1人なら4.084%のままですが、扶養2人なら2.042%に下がり、所得税は 8,710円 になります。

手取りが額面の8割前後になる理由

計算例の手取りが約8割になるのは、引かれる額のほとんどが社会保険料だからです。40歳未満の場合、社会保険料は賞与の約15%(健康保険4.925%、子ども・子育て支援金0.115%、厚生年金9.15%、雇用保険0.5%の合計)で、ここまでは前月の給与に関係なくほぼ一定です。

残りの所得税は、扶養なしで前月の給与が30万円前後までなら、社会保険料を引いた賞与の4.084%以下です。賞与の額面に対しては3%台にとどまります。前月の給与が高くなるほど率が上がるので、手取りの割合は月給が高い人ほど下がります。

賞与から引かれた所得税は、その時点での仮の金額です。1年分の給与と賞与の合計で税額を計算し直す年末調整で精算されます。令和8年分は基礎控除などの引き上げで還付が大きくなりやすく、その理由は令和8年分の年末調整で還付が大きくなる理由と、還付額の計算方法で説明しています。

前月の給与がない場合と、賞与が前月の給与の10倍を超える場合

入社直後で前月に給与が払われていない場合や、育児休業明けなどで前月の給与が少なく、賞与がその10倍を超える場合は、算出率の表を使いません。給与の月額表で計算します。

前月に給与の支払がない場合

  1. 賞与から社会保険料を引いた額を6で割る(賞与の計算期間が6か月を超えるときは12)
  2. 1の金額を月額表の甲欄に当てはめて税額を求める
  3. 2の税額に6(または12)を掛ける

賞与50万円・扶養なし・東京都・40歳未満の例では、社会保険料を引いた 426,550円 を6で割ると 71,091円 です。令和8年分の月額表では、扶養0人で105,000円未満の税額は0円なので、賞与の所得税は0円になります。

賞与(社会保険料控除後)が、前月の給与(社会保険料控除後)の10倍を超える場合

  1. 賞与から社会保険料を引いた額を6(または12)で割る
  2. 1の金額に前月の給与(社会保険料控除後)を足す
  3. 2の金額を月額表に当てはめて税額を求める
  4. 3の税額から、前月の給与に対する源泉徴収税額を引く
  5. 4の税額に6(または12)を掛ける

どちらの場合も、年末調整で1年分の税額に精算される点は同じです。

ツールで自分の賞与の手取りを出す手順

社会保険料・手取り 計算で、次の順に入れると賞与の手取りが出ます。

  1. 月給のタブに前月の給与と都道府県・年齢を入れ、社会保険料の合計を確かめる
  2. 前月の給与から社会保険料を引いた額と扶養の人数で、上の算出率の表から率を選ぶ
  3. 賞与のタブに賞与額と率を入れる。同じ年度にすでに賞与を受け取っていれば、その標準賞与額の累計も入れる

健康保険組合に加入している会社では、健康保険料率が協会けんぽと違います。給与明細の保険料と合わないときは、組合の料率を確かめてください。年収ベースの手取りの目安は年収別の手取り一覧にまとめています。

よくある質問

賞与の額が多いほど所得税の率は上がりますか

算出率の表を使う通常の場合は、上がりません。率は前月の給与と扶養の人数だけで決まり、賞与が30万円でも100万円でも同じ率を掛けます。例外は、賞与が前月の給与の10倍を超えて月額表で計算する場合です。

前月に残業が多かった場合、賞与の税金は増えますか

前月の給与に残業代が入って社会保険料控除後の額が表の次の行に上がれば、賞与に掛かる率も上がります。ただし年末調整で1年分の税額に精算されるので、賞与の率が上がったこと自体で1年間の所得税が増えるわけではありません。

賞与から住民税が引かれないのはなぜですか

会社員の住民税は、前年の所得で決まった年税額を12回に分けて毎月の給与から引く仕組みだからです。賞与の額は翌年の住民税の計算に含まれます。

社会保険料・手取り 計算ツールを開く月給・賞与・年収から、健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税と手取りを計算します。

出典

2026年10月21日時点の制度にもとづいて書いています。計算例の数字は、このサイトのツールと同じ計算で出しています。

この記事は一般的な解説です。個別の税務・労務の判断は、税理士・社会保険労務士・税務署・年金事務所などにご確認ください。